気管支ぜんそく
気管支ぜんそくは、アレルギー物質や運動・天候の大きな変化などで気管支(気道)が過剰に反応して内側が狭くなることで、呼吸困難や喘鳴、咳などの症状が出る病気です。
気道の炎症に対する様々な治療が進歩していることで、30年前と比較すると死亡率は約4分の1まで減少していますが、いまだに年間で1500人程度の患者さんがなくなっている病気でもあります。
症状
気管支ぜんそくの症状は以下の通りです。
- 息苦しさ(呼吸困難)
- 息を吐く際にゼイゼイ・ヒューヒューと音が出る(喘鳴)
- 咳(夜や早朝に多い)
原因
気道は外気が入り込む場所のため、白血球などの免疫細胞が集まっています。
これは身体に害のある物質を排除するための機能なのですが、この免疫機能が必要以上に働いてしまうことで喘息の発作が起こってしまいます。発作によって気管支(気道)の内側が縮み、空気の通り道が狭くなることで呼吸困難などの症状があらわれます。ぜんそく患者の3分の2にアレルギー性鼻炎が合併すると言われており、アレルギーの関与している場合が多いです。
発作のきっかけになるアレルゲン
- ダニ
- ハウスダスト
- ウイルス
- 花粉
- カビ
- ペットの毛 など
発作のきっかけになる行動・要因
- 運動
- タバコ
- ストレス
- 汚れた空気
- 気候や気温の変化 など
- 肥満
治療
気管支ぜんそくの治療は、発作を起きにくくするお薬(発作予防薬)と発作が起きた際に炎症を抑えるお薬(発作治療薬)があります。
また、環境を改善される事も重要です。第1に禁煙です。患者自身の喫煙はもちろん、受動喫煙でもぜんそく症状の悪化はみとめられますので、周囲の方の理解協力も必要になります。第2にアレルゲン物質の除去です。自宅のダニやハウスダスト、ペットの毛の除去は発作頻度を下げることに有用です。
肥満は男女問わずぜんそくの発症および増悪の危険因子です。肺の充分な拡張が妨げられたり、炎症性物質や免疫機序の亢進などが要因ですが、体重減少により症状は改善されることが多いです。
発作予防薬
免疫機能の働きを抑えることで、気管支(気道)収縮による喘息発作を起こさせないようにするお薬です。
現在はステロイドの吸入薬が広く使われています。発作がなく、自覚症状が乏しい状態でも、気道の炎症はくすぶっていることが多く、継続したステロイド吸入が最も重要です。
発作治療薬
発作が起きてしまった際の呼吸困難や咳などの症状を抑えるお薬になります。
吸入するタイプや貼るタイプのお薬があります。